“美しい瞬間”を生きる。

本日12月13日。

ちょうど1年前の今日は、二本松訓練所を退所し、同期のみんなと別れる日でした。

あの日から会ってない同期もたくさんいる。

でも70日間を一緒に過ごしたみんなが今も世界のどこかで頑張っているんだなっていうことが、常に日々の支えになっています。

そんな同期の一人が、協力隊Advent Calendarという素敵な企画をしてくれました。なんだかみんなとつながれる気がして、うれしいねー!

今日は13日目、私の番ということで、書かせていただきます。

とりとめもない文章になりますが、訓練所での、ケニア同期による自主講座「Tell your story」でもお話させていただいた、「美しい瞬間」について書きたいと思います。

 

今日のタイトルにもした、向田麻衣さんの『”美しい瞬間”を生きる』という本を読み、私はこの道を選ぶことを決めました。

とても抽象的かもしれないけど、私も”美しい瞬間”を作りたい。そう思ったから。

その経験は、ほんの一瞬の出来事だったとしても、その人の人生にその後もきっと長く寄り添って、暗闇に落ちそうだったときに支えてくれる。

おいしいものを食べること。仲間と何かを成し遂げる瞬間。新しい景色に出会うこと。大切な人といること。

どれもかけがえのない、美しい瞬間。

数字的に、とか、論理的な成果、も大事かもしれないけど、一人一人の心に残り続ける、その人の人生に寄り添えるような瞬間を作れたらどんなに素敵なことかと思った。

協力隊は、そんな瞬間を作ることができるチャンスを持っていると思う。自分にとってのものだけでなく、現地の人にとっての美しい瞬間も。

私がこの1年ラオスで見つけた、美しい瞬間について書きたいと思います。

 

ことば。ラオス語は不思議な言葉で、構造も発音も、私がこれまで使ってきた日本語や英語とまったく異なる。その響きは柔らかくて、ただでさえ気性を荒くしないラオスの人たちだから、ラオス語を使っている時は、私も気持ちが少し、柔らかくなる気がする。「ぱにゃにゃん(頑張る)」「めんにゃん(何)」に代表するように、とにかく可愛らしい。その単語も面白くて、例えば「雷」は「空が歌う」というふうに表現する。ある雨季の日、雷が鳴り響いていて怖かったのだけど、「空が歌っているんだ」って思ったらなんだか少し安堵したことがある。そんなラオスの人たちの考えや歴史が詰まったラオス語を話せること、そしてそのことばを話すことでラオスの人たちに少しでも近づけていることは、私にとって大事な美しい瞬間の一つになっている。

自然。ラオス語で自然を意味する「タマサート」という言葉も、ラオスの人たちの心、生き方を表している気がする。ラオスの人たちは自然の中で生きている。自然の恵みを大切にし、自然が荒れている時はそれを受け入れる。果物、葉っぱ、虫、たくさんの自然を口にする。美しい山々やメコン川と寄り添って暮らしている。洪水で街が沈みかけていた時には、釣りを始めたり、ボートを漕いでのんびりしていたり、自然に決して抗わず、その状況を前向きにとらえていた。私もラオスに来て、数え切れないほどの美しい自然を目にした。雄大な山、日々表情が変わるメコン川、ラクサオの美しい岩山、それらの中で暮らすラオスの人々の姿。それらはきっとこれからも忘れない、美しい風景だったと思う。

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任地ボリカムサイから見るメコン川

仏教。ラオスの暮らしには仏教が根づいている。仏教が良い循環を作り出している。だからみんなお寺へ行き、静かに過ごす時間、托鉢をすること、それらをとても大事にしている。ラオスは助け合いの社会だ。一人の人を作ろうとしない。私もご飯をもらったり、送り迎えをしてもらったり、他にも困った時、何度助けられたかな。仏教の精神に日々触れられること、そのおかげで穏やかに過ごせること、そんな心を、もっとたくさん知りたいなと思う。

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手しごと。ラオスの手しごと、とりわけ織物は、目を見張るほど美しい。そこにはそれぞれの民族や地域の人々の歴史や文化がたくさん、たくさん詰まっている。ラオスの人にとっては、それらは生きる手段。私はそれをよりよい方法で残していけるお手伝いをしている。この前生産者さんが、シータマサート(天然染色)を自ら始めてくれた。その糸の優しい、美しい色が忘れられない。これでどんな布を織りだしてくれるのだろう。生産者さんと一緒に、美しい瞬間を作っていきたい。それは形に残る布という物だけではなく、その過程で感じる喜びや感動までも。

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自然の色は、なんて優しくてあたたかい

人びと。ラオスの人たちは、本当に優しい。先ほども書いた助け合いの精神が強いからというのもあるかもしれないけど、目が合うとニコッと笑ってくれる人ばかりなのはなんでだろう。イライラばかりしてしまう時もあるけど、そんな笑顔に出会うたびに、私はこの国にいられてよかったって思う。この人たちと、美しい瞬間をたくさん作りたいなって思う。

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ラクサオの村の小学校にて

 

実際はもちろん、綺麗事ばかりじゃない。

 

うまくいかないことのほうが多いし、さみしい気持ちにたくさんなる。

でも私がラオスで見つけた美しい瞬間は、私のかけがえのない宝物。

そんな宝物を大事にしていきたいし、残りの時間で、ラオスの人にもそれらを残していきたい。

いろんな感情がめぐりにめぐって、いまようやく協力隊としてここにいられることを心から肯定できるようになった。

成果とか、達成するべきことはたくさんあるけれど、その根本には「美しい瞬間をつくりたい」という気持ちがあること。それを忘れずに、前を向いてラオスで過ごしていきたいなと思います。

 

**明日14日はモロッコの方による記事が続きます。モロッコ、いってみたいなあ〜!楽しみです。

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